PHPの脆弱性にどう対応する?更新を追えないPHPサイトをReact・Next.jsで作り直す判断基準

更新できるなら、まず更新を。追えないなら、作り直す選択肢を

2026年10月21日、PHPの開発チームは、認証なしで遠隔からコードを実行されうる重大な脆弱性2件を修正したバージョンを公開し、すべての利用者に直ちに更新するよう呼びかけました。同日、国家サイバー統括室も公式Xで「可及的速やかに適用してください」と注意喚起しています。

自社のWebサイトがPHPで動いているなら、まず確認すべきは「誰が、いつ更新するか」です。更新できる体制があるなら、まず更新を。一方で、サイトを作った会社と連絡が取れない、誰が更新するのか分からない、古いバージョンのまま何年も動いている。そうしたサイトでは、継ぎはぎで直し続けるより、1から作り直す選択肢があります。

この記事の要点

  • 2026年10月21日、PHP公式は認証なしのリモートコード実行につながる脆弱性2件(CVSS v4.0で9.2)を修正したPHP 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35を公開しました(出典:php.netのセキュリティアドバイザリ)。国家サイバー統括室とIPAも同日に注意喚起しました。
  • PHP公式がサポートしているのは8.2〜8.5だけで、8.1以前には原則として更新が提供されません。W3Techsによると、PHPで動くサイトの少なくとも約35%はサポートが終了した7系以前で動いています(2026年10月21日時点)。
  • 更新できる体制があるなら、まず更新を。PHP本体だけでなく、CMS・フレームワーク・プラグイン・サーバーOSも対象です。
  • 「作った会社と連絡が取れない」「誰が更新するか決まっていない」「古いバージョンに依存している」サイトは、部分的に直し続けるより作り直しが向いている場合があります。
  • React・Next.jsで作り直すと、サーバー側でPHPを動かさない構成を取れます。ただし、どの技術にも脆弱性はあります。大事なのは、更新を追える体制で作ることです。

PHPの脆弱性とは?2026年10月のセキュリティリリースと注意喚起の概要

PHPは、Webサイトの多くで使われているサーバー側のプログラミング言語です。W3Techsの2026年10月21日の集計では、サーバー側の言語が判明しているサイトの69.3%がPHPです。WordPressをはじめ多くのCMSがPHPで動いているため、「自社サイトはPHPで作った覚えがない」という会社でも、実際にはPHPが動いていることが少なくありません。

PHPプロジェクトは2026年だけで、5月・7月(2回)・9月・10月とセキュリティリリースを5回出しています。10月のものは特に深刻だとして、事前に予告されてから公開されました。

php.netが公表したセキュリティリリースの内容

PHPセキュリティチームは2026年10月20日、php.netで「Upcoming Critical PHP Security Release」として翌日のリリースを予告し、10月21日14:00(UTC、日本時間23:00)に修正版を公開しました。公開と同時に出されたセキュリティアドバイザリ「Security advisory: Critical remote code execution vulnerabilities, update now」の冒頭にはこうあります。

「PHP 8.5.12, 8.4.27, 8.3.36 and 8.2.35 fix two critical vulnerabilities that can allow unauthenticated remote code execution. All PHP users are strongly encouraged to update immediately.」(PHP 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35は、認証なしのリモートコード実行を許しうる2件の重大な脆弱性を修正します。すべてのPHP利用者に、直ちに更新することを強く推奨します。)

2026年10月21日のPHPセキュリティリリースの概要(出典: php.netのアドバイザリ)
項目内容
修正版PHP 8.5.12 / 8.4.27 / 8.3.36 / 8.2.35
脆弱性CVE-2026-109618(メモリ不足時の処理に起因するリモートコード実行)と CVE-2026-109619(解放済みの内部状態が残ることに起因するリモートコード実行)の2件。いずれも認証なしで遠隔から悪用されうるもので、深刻度はCVSS v4.0で9.2(Critical)
影響を受ける環境Webリクエストを処理するすべてのPHP(PHP-FPM、Apacheのmod_php、php-cgi、FrankenPHP、LiteSpeedなど)。公式は mod_php のリスクを最も高いとしている
対処「完全な対処は更新だけ」。設定による軽減策はリスクを下げるが、安全にはならない
古いバージョンPHP 8.1以前はPHPプロジェクトの更新対象外。今回は重大性を踏まえ、7.4・8.0・8.1向けにソース形式の最小限の修正が別途提供された

アドバイザリには、すぐに更新できない場合の設定による軽減策も載っています。ただ、その項には「while only an update is a complete solution, the following measures reduce exposure to specific attack paths but do not make an installation safe.」(更新だけが完全な解決策であり、以下の対策は特定の攻撃経路への露出を減らすものの、インストールを安全にするものではない。)とあり、公式自身が軽減策を更新の代わりにしていません。

各バージョンのリリース告知(PHP 8.5.12・8.4.27・8.3.36・8.2.35)にも「This is a security release」とあります。脆弱性ごとの技術的な詳細は、PHPプロジェクトがGitHubで公開しているアドバイザリ(GHSA-w8hw-w9fx-j79w・GHSA-6wmf-4rv5-p3rp)で読めます。

10月21日の時点で、IPAはこの2件を悪用した攻撃を確認していません。それでもIPAは「攻撃者はこれらの脆弱性を悪用し、極めて短時間で攻撃を実行する可能性もある」と書いています。悪用の報告が出る前に更新しておくべきです。

国家サイバー統括室・IPAの注意喚起で求められている対応

国家サイバー統括室(内閣官房)は2026年10月21日、注意・警戒情報の公式X(@cyber_forecast)で次のように注意喚起しました。

「2026年10月21日、多くのウェブサイトで使用されているPHP更新プログラムが公開されました。重大な脆弱性に関するセキュリティ修正が含まれていますので、可及的速やかに適用してください。適切な対応がなされない場合、ウェブサイト等が侵害を受ける可能性があります。」

同日の公開前の投稿では、修正パッチを速やかに適用することが困難な場合は、ウェブサイト等を一時的に停止させることもリスク低減の有効策の一つだと案内しています。

IPA(情報処理推進機構)も同日、「【事前準備のお願い】PHPのセキュリティリリース公開予定について」を公開し、PHPを利用しているウェブサイト・ウェブサービスの棚卸しと、公開され次第の速やかな更新を呼びかけました。あわせて「サポート終了の古いPHPを利用し続けているウェブサイト・ウェブサービスも見受けられます」と指摘しています。

自社サイトが影響を受けるかを確認する方法

社内に開発者がいない会社でも、次の順で確認できます。

  • サイトがPHPで動いているかを確かめる。WordPressなどのCMSで作られたサイトはPHPで動いています。分からなければ、制作会社かサーバーの事業者に問い合わせます
  • PHPのバージョンを確かめる。レンタルサーバーやクラウドの管理画面に、バージョンの表示・切り替えの項目があることが多いです。WordPressなら管理画面の「サイトヘルス」でも確認できます
  • 対象かどうかを判断する。8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12より前のバージョンはすべて対象です。8.1以前は公式の更新が届かないため、更新先のバージョンごと検討が必要です
  • 誰が更新するかを確かめる。レンタルサーバーでは事業者側で更新される場合もあります。保守契約があれば、制作会社に対応の予定を確認します

ここで「誰に聞けばよいか分からない」「制作会社と連絡が取れない」となった場合、それ自体が今のサイトの大きなリスクです。

PHPのサポート期限と、古いバージョンを放置するリスク

PHPには、バージョンごとにサポート期限があります。バグ修正を含む通常のサポート(Active Support)が終わると、セキュリティ修正だけが提供される期間(Security Support)に入り、それも終わるとサポート終了(EOL)になります。

サポート中・セキュリティ修正のみ・サポート終了の3段階

PHPの各バージョンのサポート期限(php.net「Supported Versions」より)
バージョン初回リリース通常サポート終了セキュリティサポート終了2026年10月時点の状態
8.1以前-終了終了サポート終了
8.22022年12月8日2024年12月31日2026年12月31日セキュリティ修正のみ(あと約2ヶ月)
8.32023年11月23日2025年12月31日2027年12月31日セキュリティ修正のみ
8.42024年11月21日2026年12月31日2028年12月31日通常サポート中
8.52025年11月20日2027年12月31日2029年12月31日通常サポート中

W3Techsの同じ集計で、バージョン別では8系が65.2%、7系が27.0%、5系が7.7%、4系が0.1%です。7系以前はすべてサポートが終了しているため、PHPサイトの少なくとも約35%は、公式の修正が届かないバージョンで動いていることになります。8.0・8.1もサポート終了なので、実際の割合はさらに高くなります。

放置したPHPサイトで起きうること

サポートが終了したバージョンでは、新しく見つかった脆弱性の修正が原則として提供されません。脆弱性の内容が公開されると、攻撃者はそれを基に未更新のサイトを探します。実際に被害が出た例として、2024年にはPHPのCGI版の脆弱性(CVE-2024-4577)が、Windowsの日本語環境などで悪用できることが分かり、IPAは「国内の複数組織においてこの脆弱性が悪用され、当該製品が稼働する Web サービスに webshell が設置されていたとの指摘があります」として注意喚起しました(2024年7月5日)。

サイトが侵害されると、改ざんによる偽ページの表示、問い合わせフォームに入力された個人情報の窃取、他のサイトを攻撃する踏み台にされる、検索エンジンやブラウザに「危険なサイト」と表示される、といったことが起こりえます。コーポレートサイトであっても、会社の信用に直接関わります。

まずやるべき脆弱性対応:アップデートで済むケース

更新できる体制があるなら、まず更新してください。作り直しは、更新を続けられない場合の選択肢であって、更新の代わりにはなりません。

対応の手順

  • PHPを使っているサイト・サービスを棚卸しする
  • 各サイトのPHPのバージョンと、誰が更新を担当するかを確かめる
  • サポート中のバージョンなら、8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12のいずれかへ更新する。レンタルサーバーなら管理画面でバージョンを切り替えるか、事業者の案内に従う
  • PHP本体だけでなく、WordPressなどのCMS本体・プラグイン・テーマ、フレームワーク、サーバーOSも更新する
  • 更新後にサイトの表示と主要な機能(問い合わせフォームなど)が動くことを確かめる
  • 更新がすぐにできない場合は、公開範囲の限定や一時停止など、影響を減らす対処を検討する

アップデートが難しくなる典型パターン

更新が「できるはずなのに進まない」サイトには、共通した事情があります。

  • サイトを作った会社と連絡が取れない、または保守契約が終わっていて、誰が更新するか決まっていない
  • 社内に開発者や情報システムの専任がおらず、管理画面のログイン情報やサーバーの契約の所在が分からない
  • 古いバージョンのCMS・フレームワーク・プラグインに依存しており、PHPを上げると動かなくなる。更新のために改修が必要で、改修のためにまた別の更新が必要になる
  • サポート終了のバージョン(8.1以前)で動いており、更新先のバージョンへ上げるには動作確認と改修を伴う
  • 更新のたびに手作業で確認が必要で、担当者の負担が大きく、後回しになっている

こうしたサイトでは、今回の更新を何とか乗り切っても、次のセキュリティリリースで同じ問題に直面します。

更新を追えないPHPサイトを作り直すべきかの判断基準

選択肢は大きく3つです。今のまま更新を続ける「継続運用」、更新の妨げになっている部分だけを直す「部分改修」、そして1から作り直す「全面リプレイス」です。

継続運用・部分改修・全面リプレイスの比較
観点継続運用(更新を続ける)部分改修全面リプレイス(作り直し)
向いている状況更新する担当者と手順が決まっていて、サポート中のバージョンで動いている特定のプラグインや機能だけが更新の妨げになっていて、それ以外は健全作った会社と連絡が取れない、構成が分からない、サポート終了のバージョンに依存している
当面の負担小さい中程度。原因の切り分けに調査が要る大きい。要件の整理から始める
次の脆弱性への備え体制が続く限り対応できる直した箇所以外は従来のまま。同じ問題が再発しうる更新しやすい構成と体制を最初から設計できる
注意点担当者の退職や契約終了で体制が途切れないようにする改修が改修を呼び、結果的に作り直しより時間がかかることがある完成までの間、今のサイトの脆弱性は残る。先に更新や公開範囲の限定を検討する

判断の軸は「今回の更新ができるか」ではなく、「これから先も更新を追い続けられるか」です。次の項目に複数当てはまるなら、作り直しを検討する段階にあります。

  • サイトを作った会社・担当者と連絡が取れない、または保守契約がない
  • サイトの構成(CMS・プラグイン・サーバー)を把握している人が社内にいない
  • サポート終了のPHPで動いていて、更新先に上げると動かなくなる
  • ここ数年、セキュリティリリースのたびに更新できていない
  • サイトの内容や機能が古く、どのみちリニューアルを検討していた

PHPサイトの作り直しをGinTrickに相談する

GinTrickは、TypeScript・React・Next.jsによるWebサイト・Webアプリケーションの開発と、ヘッドレスCMSを組み合わせた更新しやすいサイトの構築を行っています。サイバーエージェント・ドワンゴ出身のエンジニアが設計段階から入り、成果物を検品します。

「今のサイトがどうなっているか分からない」という段階からで構いません。現状を伺ったうえで、更新で済むのか、作り直しが向いているのかの整理からお手伝いします。

React・Next.jsで作り直すとセキュリティ運用はどう変わるか

React・Next.jsで作り直すとセキュリティ運用はどう変わるか

作り直すなら、GinTrickはReactとNext.js(TypeScript)を提案しています。ただ、ReactやNext.jsにしたからといって脆弱性対応がいらなくなるわけではありません。変わるのは「構成」と「更新の追いやすさ」です。

静的生成と配信の分離で、サーバー側でPHPを動かさない

PHPのサイトは、閲覧者がページを開くたびにサーバー上でPHPのプログラムが動き、ページを生成して返します。今回の脆弱性が「Webリクエストを処理するすべてのPHP」を対象としているのは、この仕組みによるものです。

Next.jsでは、コーポレートサイトやLPのような多くのページを、公開時に静的なHTMLファイルとして事前に生成し、CDNやホスティングサービスから配信するだけの構成が取れます。この構成では、閲覧者のリクエストを受けてサーバー側でプログラムを動かす部分がなくなるか、大きく減ります。サーバー側でPHPを動かさないため、PHP本体の脆弱性の影響をそもそも受けません。

ヘッドレスCMSで、管理画面を自社サーバーから切り離す

「担当者がお知らせや記事を更新できるようにしたい」という要件は、ヘッドレスCMSで満たせます。ヘッドレスCMSは、コンテンツの入力・管理の機能だけを提供するサービスで、サイトの表示は別に作ったNext.jsのサイトが担います。管理画面はCMSの事業者が運用・更新するため、自社のサーバー上で管理画面のプログラムを動かし、その更新を自社で追い続ける必要がなくなります。

ヘッドレスCMSを使ったサイトの考え方と導入の流れは、ヘッドレスCMS導入に強いWebシステム開発会社の選び方と依頼ステップで詳しく解説しています。

作り直しても残る運用:依存パッケージの更新

ReactやNext.js、サイトが依存するパッケージにも、セキュリティ修正を含む版が定期的に公開されます。作り直したサイトでも、依存パッケージの更新は続ける必要があります。

PHPサイトとの違いは、更新の対象と手順を最初から設計できることです。依存パッケージの更新を自動で検知する仕組み、更新後の動作確認とデプロイの自動化、公開後に誰がどの頻度で更新するかの取り決め。「更新を追える体制で作る」というのは、これらを構築の段階で決めておくことです。

PHPのサイトからNext.jsへ移行する進め方

作り直しは、今のサイトを公開したまま進めます。流れは次の5段階です。

PHPサイトからNext.jsへ移行する5つの段階
段階やることポイント
1. 現状調査ページの一覧、使っている機能(フォーム・検索・会員機能など)、外部サービスとの連携、サーバーとドメインの契約を洗い出す制作会社と連絡が取れなくても、公開されているサイトと契約書類から多くは把握できる
2. 要件整理残すページと機能、変えるもの、やめるものを決める。更新したい内容と担当者を決める要らないページや機能を減らす機会にもなる
3. 構築Next.jsでサイトを構築し、必要ならヘッドレスCMSを設定する。今のサイトとは別の環境で進める今のサイトは公開したまま。脆弱性が残るなら、先に更新や公開範囲の限定を行う
4. URLと301リダイレクトの設計旧サイトのURLと新サイトのURLの対応表を作り、変わるURLには301リダイレクトを設定する検索エンジンの評価を引き継ぐため、公開前に対応表を確認する
5. 切り替えと運用ドメインの向き先を新サイトに切り替え、旧サイトを停止する。更新の担当と頻度を決めて運用を始める切り替え後に旧サイトのサーバーを残したままにしない

GinTrickの開発の進め方は、無料相談から始まり、要件定義・お見積もり、設計・実装、テスト・レビュー、リリース・運用保守の順で進みます。詳しくはシステム開発のページをご覧ください。

依頼前に社内で決めておきたいこと

依頼前に社内で決めておきたいこと

作り直しを相談する前に、次の点を社内で整理しておくと、相談がスムーズに進みます。すべてが決まっていなくても構いません。

  • 今のサイトの契約の所在:ドメイン、サーバー、CMSやプラグインの有料契約が、誰の名義で、どこにあるか
  • サイトの目的と優先順位:問い合わせを増やしたいのか、採用に使いたいのか、会社案内があればよいのか
  • 更新する内容と担当者:お知らせ・記事・採用情報など、何を誰がどの頻度で更新するか
  • 残したい機能:問い合わせフォーム、資料請求、検索、会員機能などのうち、本当に使われているもの
  • 今のサイトの脆弱性への当面の対処:作り直しの完了まで、更新するのか、公開範囲を限定するのか
  • 公開後の運用体制:依存パッケージの更新や動作確認を、自社で行うのか、保守として依頼するのか

開発会社の選び方や初回相談の準備については、アプリ開発の委託を成功させる開発会社の見極め方と相談準備の全体像も参考になります。

まとめ:更新できるならまず更新を。追えないなら、更新を追える体制で作り直す

自社サイトがPHPで動いているなら、まずバージョンと更新の担当者を確かめ、更新できるなら更新してください。

作った会社と連絡が取れない、誰が更新するか分からない、サポート終了のバージョンに依存している。そうしたサイトは、今回を乗り切っても次のリリースでまた止まります。継ぎはぎで直し続けるより、ReactとNext.jsでサーバー側にPHPを動かさない構成に作り直し、更新の担当と手順を最初から決めておくほうが、次の脆弱性にも追いやすくなります。

参考

php.net「Security advisory: Critical remote code execution vulnerabilities, update now」(2026年10月21日)
php.net「Upcoming Critical PHP Security Release」(2026年10月20日)
php.net「PHP 8.5.12 Released!」「PHP 8.4.27 Released!」「PHP 8.3.36 Released!」「PHP 8.2.35 Released!」(2026年10月21日)
php/php-src GitHub Security Advisory「GHSA-w8hw-w9fx-j79w」(CVE-2026-109618)
php/php-src GitHub Security Advisory「GHSA-6wmf-4rv5-p3rp」(CVE-2026-109619)
php.net「Supported Versions」
国家サイバー統括室(注意・警戒情報)公式X「PHP更新プログラムの公開について」(2026年10月21日)
国家サイバー統括室(注意・警戒情報)公式X「修正パッチの適用が困難な場合の対処について」(2026年10月21日)
IPA「【事前準備のお願い】PHPのセキュリティリリース公開予定について」(2026年10月21日)
IPA「PHPの脆弱性(CVE-2024-4577)を狙う攻撃について」(2024年7月5日)
W3Techs「Usage statistics and market share of PHP for websites」

【Q&A】PHPの脆弱性対応と作り直しに関する疑問についての解説

Q1.2026年10月に公表されたPHPの脆弱性は、どのバージョンが対象ですか?
A.PHP公式が2026年10月21日に公開したセキュリティアドバイザリでは、PHP 8.2.35・8.3.36・8.4.27・8.5.12より前のバージョンが対象で、修正版はこの4つです。PHP 8.1以前はPHPプロジェクトの更新対象外ですが、重大性を踏まえて7.4・8.0・8.1向けにソース形式の最小限の修正が別途提供されました。IPAはCERT-EUの情報を引いて「PHP 5以降が影響を受ける」としています。
Q2.自社サイトのPHPのバージョンはどうやって確認できますか?
A.レンタルサーバーやクラウドの管理画面に、PHPのバージョンを表示・切り替えする項目があることが多いです。WordPressなら管理画面の「サイトヘルス」からも確認できます。自社で確認が難しい場合は、サイトを制作した会社やサーバーの事業者に問い合わせてください。phpinfoなどで確認用のページを作ったら、確認後に消してください。
Q3.サポートが終了したPHPを使い続けると、どんなリスクがありますか?
A.サポートが終了したバージョンには、新しく見つかった脆弱性の修正が原則として提供されません。今回のように認証なしで遠隔からコードを実行されうる脆弱性が見つかっても、公式の修正版が出ないため、サイトの改ざん・情報の窃取・他のサイトを攻撃する踏み台として使われるといった被害につながるおそれがあります。IPAは2026年10月21日の事前注意喚起で、サポート終了の古いPHPを使い続けているサイトが見受けられると指摘しています。
Q4.PHPの脆弱性はアップデートだけで対応できますか?
A.PHP本体の脆弱性については、公式が「完全な対処は更新だけ」としており、修正版への更新が基本の対応です。PHPだけでなく、フレームワーク・CMS・プラグイン・サーバーOSも更新が必要です。更新できる体制があるなら、まず更新してください。更新が難しくなっている(制作会社と連絡が取れない、誰が更新するか決まっていない、古いバージョンに依存している)場合は、作り直しも検討してください。
Q5.React・Next.jsで作り直せば、脆弱性対応は不要になりますか?
A.なりません。ReactやNext.js、それらが依存するパッケージにもセキュリティ修正を含む版が定期的に公開されます。作り直しで変わるのは、サーバー側でPHPを動かさない構成を取れることと、更新する対象と手順が整理されて追いやすくなることです。作り直すときは、公開後に誰がどの頻度で更新するかを先に決めておいてください。
Q6.PHPのサイトをReact・Next.jsで作り直すと、何が変わりますか?
A.構成が変わります。PHPのサイトはリクエストのたびにサーバー上でPHPが動いてページを生成しますが、Next.jsでは多くのページを事前に静的なファイルとして生成し、配信だけを行う構成が取れます。コンテンツの管理はヘッドレスCMSに任せ、管理画面を自社のサーバーから切り離すこともできます。一方で、見た目や機能は要件に合わせて作り直すため、現在のサイトの何を残し、何を変えるかの整理が必要です。
Q7.WordPressで作ったサイトも対象ですか?作り直せますか?
A.WordPressはPHPで動くため、今回の注意喚起の対象です。更新できる体制があるなら、PHP本体・WordPress本体・プラグインを更新してください。更新を追うのが難しく作り直す場合は、GinTrickではReactとヘッドレスCMSの構成で、担当者が記事やお知らせを更新できるサイトとしてご相談を承っています。
Q8.作り直している間も、今のサイトを公開し続けられますか?
A.一般的には、新しいサイトを別の環境で構築し、公開の準備が整った時点で切り替えるため、今のサイトは作り直しの間も公開し続けられます。ただし、今のサイトに今回のような脆弱性が残っている場合、作り直しの完了を待たずに更新するか、更新が難しければ公開範囲を限定するなどの対処を先に検討してください。国家サイバー統括室は、速やかな適用が困難な場合はウェブサイトを一時的に停止させることもリスク低減の有効策の一つとしています。
Q9.URLや検索順位(SEOの評価)は引き継げますか?
A.ページごとのURLを新しいサイトでも同じにするか、変わる場合は旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定することで、検索エンジンの評価を引き継げます。作り直しの計画の段階で、現在のURLの一覧と新しいサイトでの対応表を作っておきます。GinTrickは自社サイトのページ移設でも、旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定して対応しています。
Q10.PHPサイトの作り直しをGinTrickに相談できますか?
A.ご相談いただけます。GinTrickは、TypeScript・React・Next.jsによるWebサイト・Webアプリケーションの開発と、ヘッドレスCMSを組み合わせた更新しやすいサイトの構築を行っています。現在のサイトの状況を伺ったうえで、更新で済むのか、作り直しが向いているのかの整理からお手伝いします。費用は規模と内容によって変わるため、無料相談で概算をお伝えします。

この記事を書いた人

代表取締役 米原 宏郎

米原 宏郎(株式会社GinTrick 代表取締役)

東京電機大学在学中から開発インターンを続け、2020年に株式会社サイバーエージェントへ新卒入社。グループのマッチングアプリのバックエンド開発で、新卒2年目から開発チームリーダーとして大型機能の刷新を納期内リリースまで導く。

2021年5月に株式会社GinTrickを創業し、2022年に本業化。代表取締役として、案件の獲得から要件定義・実装・デプロイ・運用までを一貫して担当する。ChatGPTを組み込んだアプリ「ペットの気持ちAI」の企画・実装を主導。現在はバックエンド・インフラを軸に、Claude Codeを中核としたAI駆動開発のハーネス整備と、その知見を提供する「AI駆動エンジニア講座」の運営責任者を務める。

Webシステム開発会社や受託会社・AI開発会社などに関するコラム

PHPサイトの作り直しならGinTrickへ

会社名株式会社GinTrick
代表者代表取締役 米原 宏郎
本社所在地〒150-0001 東京都渋谷区神宮前六丁目23番4号 桑野ビル2階
電話番号03-6388-1182
メールcontact@gintrick.com
設立2021年5月25日
資本金500万円
事業内容FDE(Forward Deployed Engineering)、Web・アプリのシステム開発、自社サービス開発
URLhttps://gintrick.com/

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